シックハウス研究会 第6回勉強会
日時 平成13年12月11日(火) 18:30〜20:00
場所 建築士会4階会議室
出席者 東・足立・井上・上田猛・梅本・尾関・坂上・佐藤登・佐藤福男・辰巳・田中則明・高寺・中村・西野・福田・三宅・山本
司会 梅本
記録 田中則明
−室内空気中の化学物質について− 講師:東 賢一氏<研究会メンバー>
レジメに基づいてOHPによる詳しい説明をしていただきました。
1.新築集合住宅における揮発性有機化合物の挙動と発生源の推定
−実体調査論文の紹介−
日本建築学会計画系論文集 第547号 p75-80 2001年9月
内山茂久、長谷川修司、田辺新一
・ 室内空気質に影響する因子: 化学的、生物的、物理的分類
・ 化学物質について: 周りにあるものは全て化学物質である。
・ 化学物質の利用: 天然に存在する物質⇒人工的に合成された物質
・ 産業の発達と工業製品の増加(発生源): 住宅の気密化と相まって室内空気質が変化
・ 調査目的: 入居前から入居後の半年間の室内化学物質濃度測定により発生源を
推定
・ 調査建物: 1997年9月竣工の3LDKのマンション
・ 入居前後の化学物質濃度: 測定化学物質25物質について測定
・ 変化が大きい化学物質の室内汚染質: 11物質のうち1.4-ジクロロベンゼンが生活の利用によって値が大きくなっている。
・ 収納棚を含めたガルボニル(アルデヒド類、ケトン類の総称)化合物の濃度: 収納棚の数値が特に多い。
・ 収納棚2の部位別放散速度: 表面塗装膜が薄いほど値が大きい
・ 総括:
新築時に建材や施工材から放散
ホルムアルデヒド、トルエン、アセトン、CFC-11,アセトアルデヒド、エチルベンゼン、キシレン、スチレン
居住者による持ち込み 1,4シクロロベンゼン、1,1,1-トリクロロエタン
その他生活起因 クロロホルム(水道水)
収納棚が高濃度に汚染 ホルムアルデヒド(合板の接着剤)
2.厚生労働省の室内濃度指針値と室内濃度の温度変化
−ホルムアルデヒドの事例−
・ 化学物質の体内経路: 暴露 → 吸収 → 分布 → 代謝 → 排泄
・ 化学物質の毒性評価: 無影響量×安全係数=指針値
・ 厚生労働省の指針値について: ホルムアルデヒドの指針値=0.1mg/m3
・ 分析機器は、なぜ体積で表すか: 大きさのある方が扱いやすい
・ 室内濃度指針値の温度換算: ホルムアルデヒドの指針値=0.1mg/m3 ⇒
23℃換算で0.008ppm
・ 室内ホルムアルデヒド濃度変化: 建材からの放散速度は温度が高くなるほど速い
・ 温度換算におけるポイント: 指針値の温度換算と室内濃度の温度変化
3.質疑
中村: 外壁の塗装で換気直後の廊下のトルエンの値が多いのは驚きである。
上田: 入居前後の化学物質濃度のデーターはどこの場所か
A: リビングのデーター比較
坂上: ホルムアルデヒドの性質について
A: 温度が上がれば放散量が多くなる
尾関: 水道水の残留について
A: クロロホルムは揮発性が高い。 又塩素はオゾンと微生物の処理(高度処理水)よって減少する。
梅本: トリハロメタンによる浄水器について噴霧状にして大気中に放散しているので大気中から呼気によって体内にはいているのでは
A:その通り
4.トルエン、キシレン、スチレン、ホルマリンの実物紹介
劇物に指定されている薬品もあり取り扱いに注意をして臭いを体験した。