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大阪建築コンクール
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平成28年度 第61回大阪建築コンクール 入賞発表

主催 : 公益社団法人大阪府建築士会 / 後援 : 大阪府

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「大阪建築コンクール」の趣旨

 建築士はその職責を通じて地域社会の発展に寄与し、建築美を通じて建築文化の向上、ひいては地域文化の振興にも寄与していく必要があり、その責務は重大である。  大阪建築コンクールは、建築士と社会とのかかわりを通じて建築作品を評価し、その優れた実績をたたえ、建築作品の設計者である大阪府建築士会正会員または大阪府在住もしくは在勤の設計者を表彰する。同時に行う渡辺節賞については、新しい建築文化の原動力となる若い優れた設計者をたたえ、さらなる発展を望むものである。

募集範囲

 2012年1月1日から2016年12月31日の間に竣工し、完了検査済証の交付を受けた建築物
 *建築確認申請不要物件は完了検査済証不要
 *竣工年月日は工事完了時

審査委員会

委員長遠藤秀平(神戸大学大学院教授)
委 員
※50音順
越智正一(前大阪府住宅まちづくり部公共建築室室長 現)阪田弘一(京都工芸繊維大学准教授)
下山 聡(下山建築設計室)鉾井修一(京都大学名誉教授)

受賞作品紹介

●大阪府知事賞部門

受賞設計者
大阪府知事賞 今井町の家 横関正人・横関万貴子(一級建築士事務所 有限会社NEO GEO)
つつじヶ丘の家 柳川賢次(有限会社柳川賢次建築設計事務所)
特別賞 ダイキン工業 テクノロジー・イノベーションセンター 児玉 謙(株式会社日建設計)

●渡辺節賞部門

受賞設計者
渡辺節賞 該当作品なし -
奨励賞 西三国の家 堤 庸策(arbol)

審査経過並びに総評


審査委員長 : 遠藤秀平
 大阪建築コンクールの61 回目の新たなスタートの審査に立ち会う事になった。思い起こせば45 回の渡辺節賞を受賞したのが25 年前になる、審査委員は何度か努めたが審査委員長となると荷が重い。最初はどのような審査になるか予想もできなかったが、審査委員のみなさんがそれぞれの立場で貴重な意見を出していただき、スムーズな合議で結論に至ったのではないかと思う。

 今回は知事賞部門に27 作・渡辺節賞部門に16 作の応募が有り、まずは書類による1 次審査を行なった。審査員全員そろい自己紹介のあと、評価の基準について意見交換を行い、事務局にもこれまでの審査を確認しながら準備を整えた。その後は各自が提出されたファイルを見て回り、その中から現地審査の候補となる2 〜3 作を選んでもらうことにした。その後、審査員全員から推薦候補作を出してもらい、それぞれについて各自がコメント行った。途上評価する点と気になる点を話題として、再度推薦の意思を確認し絞り込みを繰り返して行った。また、これらの途上では各作品の設計者名は非公開であった、後日談であるがこのために節賞候補には同一設計者の作品が2 つ入っていることに皆が驚かされた。

 1 次審査で節賞候補3 作・知事賞候補7 作を選定し、全審査員が参加し2 日間で10 作について現地審査を行った。現地審査2 日目の最後に建築士会事務局に戻り最終審査会を行った。まず各自が知事賞候補と節賞候補を1 作ずつ推薦し、意見分布を確認した上で議論と絞り込みを行うことにした。最初に知事賞候補作の絞り込みを行い、まず「今井町の家」の伝統的な町家に対する地道な取り組みが全員の評価を受け決定となった。また、この時点では複数の候補が残っていたが意見がまとまらないため先に節賞の選定を行うこととした。節賞候補3 作から、積極的閉鎖による住環境を実現した「西三国の家」のチャレンジ性に評価が集まったが、コンセプトと構造との整合性に曖昧さが残っていることなどから奨励賞とすることが決定した。その後、残された知事賞候補に議論を戻し、やや閉鎖的な住宅地において周辺に対する敷地の開放などを評価し「つつじヶ丘の家」を受賞作とした。最後に室内空気環境のコントロールをテーマとしての高い取り組みを評価して「ダイキン工業テクノロジー・イノベーションセンター」を特別賞として選出した。

 以下、受賞作への講評は各審査員のコメントに譲り、受賞にいたらなかった現地審査作品をコメントしたい。

○大阪府知事賞
「有縁のすみか」 現地審査では、設計者の運営企画への積極的な関与が読み取れ、持続的な取り組みにより社会的に閉鎖しがちなプログラムを開放する提案が実現されたことが確認できた。地域や既存施設との関係をよく読み解いた力作ではあるが、木架構への工夫やチャレンジなどもう1 歩踏み込んだ建築提案が求められる。
「仁川の住宅」 郊外の住宅地に建つ個性的なファサードの住宅であるが、内部は大きな吹き抜け空間を中心に家族の居場所が設定される魅力的な空間を持っている。しかし、個性的であるファサードの表情とその意義に関して、設計者が託した目的ほどには達成されていないのではないか、まして木造による架構に整合性があるのかが気になるところであった。
「浄土真宗本願寺派西光寺」 大阪の最も賑やかな一角に立地するお寺の再建であるが、猥雑な環境との接点をコンクリートボックスと敷地の両側に設定した長い内部通路によりうまく調停を行っている秀作である。しかし、周辺の雑音からの遮蔽を強くしたためか、やや閉鎖的で内向な印象を拭えない。安定した環境は発注者側の条件は大きな前提であろうが、宗教がもちえる非日常性を信徒以外でも享受できるところに宗教建築の魅力が生まれるのではないだろうか。
「祇園末吉町ビル」 夜に魅力を発揮することを求められる建築であろうが、伝統的すだれをステンレスの網によって現代的な表情を獲得している、新たな可能性を具体化した労作である。審査では日中の確認となったが夜間の照明による魅力は充分に理解できるものであった。しかし、設計者の熱心な取り組みが内部空間とは切りはなされていたことがやや残念であった。

○渡辺節賞
「鳳の家」 比較的新しい住宅街の角地に立地する小住宅である。現地審査では西三国の家と同じ設計者が出迎えてくれた、コンセプには共通するものを見ていたが審査員一同が驚いた。残念なことに住人との調整ができず内部を体験することができなかった。
「八田家住宅」 若い陶芸家の仕事場と家族の住まいである。外観は伝統的な瓦屋根に木造軸組により安定した景観の形成に貴重な役割を果たしていた。空間はアドルフ・ロースのラウムプランを彷彿させる立体的な回遊性のある豊かな空間を感じることができた。斜面に立地することからも、仕事場の床下には大きな束立て空間が出来ていたが、この部分がより積極的に生活の一部に取り込まれてもよかったのではないか。

 最後に最近気になっている事を記しておきたい。建築設計や建築の質を高める事は重要なことであるが、その一環として様々な分野においてデザインビルドやBIM などが関心を集めている。しかし、これらは共に建築を具体化するための方法の1 つであり、方法が目的化し本来の目的である質とは何かを忘れては問題である。今回の審査においても、多くの設計者による様々な取り組みの成果を知る事が出来てとても参考になった。ひとり一人の設計者が建築の質を高める事を忘れずに、そして多くの人が建築の魅力を感じられるようにしたい。新潟の旧家で見た東山魁夷さんの色紙にあったことばを記して終わる。「古い家のない町は 想いでの無い人間と同じである」、長らく使われ記憶に残る建築が多く作られることを願う。

年度別 大阪建築コンクール 入賞発表
大阪建築コンクール基金出捐者リスト 順不同 敬称略
前大阪府住宅まちづくり部 堤 勇二 岡本 森廣 越智 正一
樫永 一男 金森 秀治郎 竹原 義二
中嶋 節子 長谷川 総一 都窯業株式会社 河原 輝雄
森田一弥建築設計事務所 瀧 梢

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