過去の入賞発表
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主催:公益社団法人 大阪府建築士会
目的
公益社団法人大阪府建築士会では会報誌「建築人」を毎月発行しており、2016年4月には第622号を数えました。本会会員である建築士にとって重要な情報提供を行うとともに、作品発表の機会を設け、建築技術の普及や建築士の相互研鑽に寄与することを目指しています。
「建築人賞」は、「建築人」のGALLERY 頁に掲載された作品の中から機能性、社会性、デザイン性、先進性などにおいて優れたものを顕彰し、建築技術の進展、建築文化の向上に資するとともに、「建築人」のプレゼンスをさらに高めていくことを意図して創設された賞です。
審査経過
審査は、公平性を重視するため、関西以外で活躍する建築関係者、学識経験者等にお願いしています。第6回からは早稲田大学教授古谷誠章氏を審査委員長としてお迎えしました。
今回は、2015年に掲載された作品40点が対象となりましたが、今回も前回同様、公開1次審査を行いました。1次審査は、2月27日に開催され、計36点の作品について設計者のプレゼンテーション、審査員による質疑等を行い、その場で9点が審査を通過しました。その後3月30日、31日、4月6日の3日間、現地審査を行い、最終的に、建築人賞2点、建築人賞奨励賞3点、佳作4点が選出されました。
入賞作品は、いずれもその機能性、デザイン性、社会性などが高く評価されたものですが、これらを表彰し公表することによって、社会に対して建築の魅力や価値を発信し、建築文化の醸成に寄与できるものと考えています。
建築情報委員会委員長:米井 寛
対象作品
会報誌建築人2015年1月号〜2015年12号「GALLERY」掲載作品40点
受賞作品紹介
賞 | 受賞 | 建築主 | 設計者 | 施工者 |
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建築人賞 | 竹中大工道具館 新館 | 公益財団法人竹中大工道具館 | ㈱竹中工務店 | ㈱竹中工務店 |
大和棟の家 | ------ | ㈲岩田章吾建築設計事務所 | ㈱和田建設 | |
建築人奨励賞 | 西光寺 | 宗教法人 西光寺 | ㈱コンパス建築工房 | 日本建設㈱ |
ENDO 堺筋ビル | ㈱遠藤照明 | ㈱日建設計(基本設計・意図伝達)・大成建設㈱ | 大成建設㈱ | |
大野台の家 | ------ | 横関正人+横関万貴子 / ㈲NEO GEO | ㈱アール・ワン | |
建築人賞佳作 | チュチュアンナグループ 本社ビル |
㈱チュチュアンナ | ㈱安井建築設計事務所 | ㈱鴻池組 |
認定こども園 せんりひじり幼稚園 ひじりにじいろ保育園 |
学校法人ひじり学園 | ㈲アバクス・アーキテクツ | 松井建設㈱ | |
LIGHT SCREEN | ------ | ㈱マニエラ建築設計事務所 | ㈱梅田コーポレーション | |
Rich Communication House | ------ | ㈱HTA デザイン事務所 | 西友建設㈱ |
審査総評
建築人賞の審査をお引き受けして3年目となりました。昨年より、作品を掲載された応募者によるプレゼンテーションによって一次審査を行っています。会場には応募作品のパネルも展示していただき、来場された皆さんが相互に意見を交換したり、交流を深める機会となっています。今年の会場を一巡してすぐに気づいたのが、お世辞抜きで作品の質が一段とグレードアップしていることでした。いわゆるアトリエからも大手の組織からも、幅広く充実した作品が数多く勢揃いしてました。
短時間でのプレゼンテーションと質疑応答では十分言葉を尽くせなかったと思われますが、どうぞご容赦ください。それでも皆さんが綿密に準備をしてくださったおかげで、建築人誌上の限られたページからはつかみ取れない作品に込められた設計の意図を伺うことができました。パネルも昨年以上に工夫の凝らされたものを感じました。
昨年同様それからの審査が大変で、ひとり審査委員長の辛さ、何しろ独断と偏見で選ぶわけですから、まるでたらりたらりと脂汗を流す筑波山中の四六のガマになった心境です。とくに一般建築部門の候補作には昨年をはるかに上回る力作揃いで、選考は大いに難渋しました。一方の住宅部門でも中堅、ベテランともに綿密に考えられた佳作が多く、現地審査の対象を絞るのにさらに苦戦しました。今年も、建築としての質の高さだけでなく、大阪・関西の文化的土壌にいかに根差しているかについて想像を巡らせて、最終的に一般建築で5件、住宅4件を実地に見てまわることとしました。
3月30日〜31日、および4月6日に、大阪市、西宮市、豊中市、奈良市、狭山市にある計九作品を訪れました。幸い通路の支障もなく、ほぼ予定通りに見て回ることができました。実際に訪れて周囲の環境や、立地する土地柄などを見ると、誌面ではわからないその作品の成立した背景をつぶさに見て取ることができます。単体の建築の写真だけでは気づくことのできない家並みや街並みに対する姿勢などを読み取ることができるのです。昨年の講評でも施主と建築家がお互いをじっくり育て合うような関西の気質について触れましたが、敷地を取り巻くこうした風土自体もまた、施主や建築家を育てているように感じました。来年もどうぞよろしくお願いします。
審査委員長:古谷誠章
審査委員長 : 古谷 誠章
(早稲田大学教授)
1955年 | 東京都生まれ |
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1978年 | 早稲田大学理工学部建築学科卒 |
1980年~ | 早稲田大学大学院修了 |
1986〜 1987年 | 文化庁芸術家在外研修員としてマリオ・ボッタ事務所在籍 |
1994年~ | 八木佐千子とスタジオナスカ(現NASCA)共同設立 |
1994年~ | 早稲田大学理工学部助教授 |
1997年~ | 早稲田大学教授 |
平成27年度 | 第7回 建築人賞発表 |
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平成26年度 | 第6回 建築人賞発表 |
平成25年度 | 第5回 建築人賞発表 |
平成24年度 | 第4回 建築人賞発表 |