龍谷大学 大宮キャンパス 東黌
設計者 | 岡田 泰典・近藤 努・金井田 雄介 (株式会社日建設計) |
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建築主 | 学校法人龍谷大学 |
施工者 | 松井建設株式会社大阪支店 |
建築位置 | 京都市下京区 |
竣工年月 | 2018年2月 |
建物用途 | 戸建住宅 |
構 造 | RC・SRC・S造 |
階 数 | 地上3階 |
敷地面積 | 2,859.27㎡ |
建築面積 | 1,707.54㎡ |
延床面積 | 4,184.50㎡ |
【審査講評】
一見すると保存・改修の計画かと見まごうほど落ち着きのある外観であり、事実、初めて書類審査で写真を目にしたときは、即座に新築だとは認識できなかった。それほど周囲の歴史的景観と自然な調和をなしている。さらに、現地を訪れてみると、それは単に過去の様式を踏襲しただけのものではなく、現代の材料と技術を駆使しながら創意工夫を織り交ぜて伝統を更新した独創性をも備えていることに気付かされた。中でも、建築のファサードにあたるスチューデントコモンズエリアの鉄とガラスによる空間は、最も力点の置かれた場所であろう。その繊細な骨格は、奥に控えた講義室エリアの重厚なコンクリート躯体とあえて構造を一体にすることで実現されたもので、その透き通るような空間を介して、外部の環境と閉じた内部が緩やかにつながり合っている。歴史や時間に対する敬意と新しい時代への眼差しが品よく合わさった希望を感じさせる建築である。(審査委員 橋本 一郎)
【審査講評】
本作品は猪熊通の北端100mほどの範囲に広がるキャンパス内にある。西本願寺内にあって重要文化財に指定された明治時代の学校建築が複数残っている。この計画では猪熊通を挟んだ通り沿いにこのデザインを展開させて、道空間を意識した街並みとして展開させたことに大きな意義がある。ファサードはアルミの鋳物を多用し、古い擬洋風のデザインを繊細かつシンプルに解釈し直している。かつての寄宿舎棟のデザインを踏襲したことで、生活空間のもつスケールと窓の多いファサードが、通りに親しみやすさをもたらすことに成功している。加えて、オリジナルの壁面をガラスに置き換えることで、今の大学に要請される多様な交流による学びの場を、積極的にまちに「見せる」工夫もなされていることが評価された。(審査委員 松岡 聡)
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岡田 泰典
【主な建築作品と受賞歴】
阿南市新庁舎〈日本建築学会作品選集、日本建築家協会優秀建築選〉 KRP9号館〈日本建築学会作品選集、日本建築家協会優秀建築選、グッドデザイン賞、京都デザイン賞〉 INAX大阪ビル〈日本建築学会作品選集、日本建築家協会優秀建築選、グッドデザイン賞〉 |
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近藤 努
【主な建築作品と受賞歴】
新居浜市あかがねミュージアム〈日本建築学会作品選集、日本建築家協会優秀建築選〉 新見市立至誠小学校〈日本建築学会作品選集〉 龍谷大学8号館〈日本建築学会作品選集〉 龍谷大学智光館〈日本建築学会作品選集〉 大阪薬科大学D棟〈大阪サスティナブル建築賞特別賞〉 |
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金井田 雄介
【主な建築作品と受賞歴】
城東区複合施設、ダイキン工業テクノロジー・イノベーションセンター〈日本建築学会近畿支部コンクリートと木のコラボレーションによる持続可能な住まいと地域住環境の設計 材料・施工部会賞〉 |
受賞作品紹介
●大阪府知事賞部門
賞 | 受賞 | 設計者 |
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大阪府知事賞 | 龍谷大学 大宮キャンパス 東黌 | 岡田 泰典・近藤 努・金井田 雄介(株式会社日建設計) |
●渡辺節賞部門
賞 | 受賞 | 設計者 |
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渡辺節賞 | HAT house ―生きていく住まい― | 阿曽 芙実(阿曽芙実建築設計事務所) |
奨励賞 | 該当作品なし | - |