過去の入賞発表
HOME > 建築士の皆様へ > 建築人賞
主催:公益社団法人 大阪府建築士会
目的
公益社団法人大阪府建築士会では会報誌「建築人」を毎月発行しており、2017年4月には第634号を数えました。本会会員である建築士にとって重要な情報提供を行うとともに、作品発表の機会を設け、建築技術の普及や建築士の相互研鑽に寄与することを目指しています。
「建築人賞」は、「建築人」のGALLERY頁に掲載された作品の中から機能性、社会性、デザイン性、先進性などにおいて優れたものを顕彰し、建築技術の進展、建築文化の向上に資するとともに、「建築人」のプレゼンスをさらに高めていくことを意図して創設された賞です。
審査経過
審査は、公平性を重視するため、関西以外で活躍する建築関係者、学識経験者等にお願いしています。第6回からは早稲田大学教授古谷誠章氏を審査委員長としてお迎えしました。
今回は、2016年に掲載された作品30点が対象となりましたが、今回も例年同様、公開一次審査を行いました。一次審査は、2月18日に開催され、計27点の作品について設計者のプレゼンテーション、審査員による質疑等を行い、その場で8点が審査を通過しました。その後3月30日、31日、4月1日の3日間、現地審査を行い、最終的に、建築人賞2点、建築人賞奨励賞2点、佳作4点が選出されました。
入賞作品は、いずれもその機能性、デザイン性、社会性などが高く評価されたものですが、これらを表彰し公表することによって、社会に対して建築の魅力や価値を発信し、建築文化の醸成に寄与できるものと考えています。
建築情報委員会委員長:飯田 英二
対象作品
会報誌建築人2016年1月号〜2016年12号「GALLERY」掲載作品30点
受賞作品紹介
賞 | 受賞 | 建築主 | 設計者 | 施工者 |
---|---|---|---|---|
建築人賞 | 神戸学院大学附属高等学校新校舎 | ㈻神戸学院 | ㈱日建設計 | ㈱淺沼組 |
斜面地の家 | ------ | ㈱石橋清志建築設計事務所 | ㈱藤木工務店 | |
建築人奨励賞 | パイオニア本社ナレッジセンター | ㈱パイオニア | 大成建設㈱関西支店一級建築士事務所 | 大成建設㈱関西支店 |
彦根の家 | ------ | 井上久実設計室 | 大輪建設㈱ | |
建築人賞佳作 | シスメックス グローバルコミュニケーションセンター | シスメックス㈱ | 鹿島建設㈱関西支店建築設計部 | 鹿島建設㈱関西支店 |
ネッツトヨタ枚方 | トヨタカローラ新大阪㈱ | ㈱竹中工務店 | ㈱竹中工務店 | |
辻井の家 | ------ | 大西憲司設計工房 | ㈱アトリエ・エイト | |
Slit | ------ | ㈱マニエラ建築設計事務所 | 三幸建設㈱ |
審査総評
建築人賞の審査をお引き受けして4年目となりました。応募者のプレゼンテーションによる一次審査もだいぶ板について来て、とても楽しく拝聴しています。ただし何せ一人審査員のため、気を抜いていられないのが(失礼)大変で、話を聞き漏らさないように一生懸命耳を傾けています。今年もますます作品の質が充実して、最後にこれをわずかな点数に絞らなくてはならないのも、一段とツラいものになってきました。それでもこれだけ工夫の凝らされた作品を一堂に会して皆さんと一緒に拝見して、さらに作者の話も聞けるのは文句なく面白いので、応募者に限らず、できるだけ多くの方にこの一次審査を見てもらいたいですね。短い時間ですから、とても説明しきれなかったと思われますが、でもやっぱり誌面のわずか1、2ページの写真では計り知れないものを感じ取ることができました。
一般建築部門では、例年のことですが多種多様なものが出てきます。またリノベーションした作品に力作が出てきたのも、今年の特徴だったと思います。一方の住宅部門も、ことしはひときわバラエティに富んでいて、これもいつもながら実地審査作品を絞るのには難渋をしました。昨年も書いたようにまるで筑波山中の四六のガマのような心境になって、汗を垂らしながらようやく実地に赴く作品を一般4点、住宅4点として一次審査を終えました。(これはその後に余程の美味しいものでも待っていない限り、とっても果たせない難行です)
現地審査は3月30日〜4月1日にかけて、神戸市、姫路市、東大阪市、枚方市、芦屋市、彦根市にある計8作品を訪れました。関西でも東西に離れて立地する作品群でしたが、3日をかけて予定通りに見て回ることができました。人工島あり、自然の地形あり、城下町あり、郊外ありとバラエティに富んでいましたが、今年はいわゆる都心地がなかったといえます。敷地としては周辺環境に恵まれているに越したことはありませんが、仮にそうでなくても、建築自身が敷地を良好なものへと変化させたり、またその建築が建てられることで周辺を含むその地域の環境の価値を増すことも、とても大切なことだと思います。そんな関係を見るためにも、実際に作品を訪れてみることには重要な意味が含まれています。今年もまた、現地を訪れて初めて気づかされた作品の価値にしばしば触れることができ、大変幸いに思います。とくに施主のその後の住まいぶり、あるいは建築の使いこなし方にも、大いに肯かされるものがありました。建築が建って終わりではなく、むしろそこからが出発点であることを改めて感じました。
来年もどうぞよろしくお願いします。
審査委員長:古谷 誠章
審査委員長 : 古谷 誠章
(早稲田大学教授)
1955年 | 東京都生まれ |
---|---|
1978年 | 早稲田大学理工学部建築学科卒 |
1980年~ | 早稲田大学大学院修了 |
1986〜 1987年 | 文化庁芸術家在外研修員としてマリオ・ボッタ事務所在籍 |
1994年~ | 八木佐千子とスタジオナスカ(現NASCA)共同設立 |
1994年~ | 早稲田大学理工学部助教授 |
1997年~ | 早稲田大学教授 |
平成28年度 | 第8回 建築人賞発表 |
---|---|
平成27年度 | 第7回 建築人賞発表 |
平成26年度 | 第6回 建築人賞発表 |
平成25年度 | 第5回 建築人賞発表 |
平成24年度 | 第4回 建築人賞発表 |