過去の入賞発表
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主催:公益社団法人 大阪府建築士会
目的
公益社団法人大阪府建築士会では会報誌「建築人」を毎月発行しており、2018年4月には第646号を数えました。本会会員である建築士にとって重要な情報提供を行うとともに、作品発表の機会を設け、建築技術の普及や建築士の相互研鑽に寄与することを目指しています。
「建築人賞」は、「建築人」のGALLERY頁に掲載された作品の中から機能性、社会性、デザイン性、先進性などにおいて優れたものを顕彰し、建築技術の進展、建築文化の向上に資するとともに、「建築人」のプレゼンスをさらに高めていくことを意図して創設された賞です。
審査経過
審査は、公平性を重視するため、関西以外で活躍する建築関係者、学識経験者等にお願いしています。第6回からは早稲田大学教授古谷誠章氏を審査委員長としてお迎えしました。
今回は、2017年に掲載された作品36点が対象となりましたが、今回も例年同様、公開一次審査を行いました。一次審査は、2月3日に開催され、計31点の作品について設計者のプレゼンテーション、審査員による質疑等を行い、その場で8点が審査を通過しました。その後3月27日、29日、30日の3日間、現地審査を行い、最終的に、建築人賞2点、建築人賞奨励賞2点、佳作4点が選出されました。
入賞作品は、いずれもその機能性、デザイン性、社会性などが高く評価されたものですが、これらを表彰し公表することによって、社会に対して建築の魅力や価値を発信し、建築文化の醸成に寄与できるものと考えています。
建築情報委員会委員長:飯田 英二
対象作品
会報誌建築人2017年1月号〜2017年12号「GALLERY」掲載作品36点
受賞作品紹介
賞 | 受賞 | 建築主 | 設計者 | 施工者 |
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建築人賞 | 大光電機株式会社 技術研究所 | 大光電機㈱ | 大林組 | 大林組 |
Frame | ------ | マニエラ建築設計事務所 | 三幸建設 | |
建築人奨励賞 | 姫嶋神社 参集殿 | ------ | 橋口建築研究所 | Arcc |
飾磨の家 | ------ | 大西憲司設計工房 | 笹原建設 | |
建築人賞佳作 | 甲南高等学校・中学校スポーツ屋内練習場 | ㈻甲南学園 | 竹中工務店 | 竹中工務店 |
日亜化学工業 諏訪技術センター | 日亜化学工業 | 竹中工務店 | 竹中工務店 | |
富田林の家 | ------ | 井上久実設計室 | 西友建設 | |
富田林じないまち・木くま館 | ------ | 横関正人+横関万貴子 /NEO GEO |
アール・ワン |
審査総評
5年目の今年もバラエティに富んで見応えがありました。近畿圏外も含め3日間の実地審査となりましたが、いつもながら限られた数しか拝見できないのが、とても心苦しいです。
作品を通じて皆さんのエンターテインメント精神、施主やユーザーに対するのもありますが、皆さん自身が建築づくりを楽しむ精神を強く感じます。「大阪の建築人」気質でしょうかね。それで大抵が食べたり飲んだりが好きという、老若問わず生き生きとした生命力があふれています。その意味では、僕自身にも共通したものがあったのかも知れません。仲間に入れていただきありがとうございました。
今年の一般部門で群を抜いたのが《大光電機㈱技術研究所》で、照明器具メーカーが照明に凝るのは当然としても、このエントランスロビーは自然光、人工光、演出光などが協奏するまさにエンターテインメント空間で、理屈抜きで圧倒されました。これだけやってまったく嫌味にならないのが流石です。関西の建築を表すもう一つのキーワードが「旨さ」だと思いますが、階段や手すりの一つを取っても徹底されています。
住宅部門では、毎年入選した大江さんの《Frame》が圧巻でした。5年間で5軒の住宅を訪れましたが、どの一つを取ってもそれぞれに個性があって、似たものがない印象です。本当になんでも出来る建築家、作品ごとに違った方法でクライアントを喜ばせる、究極のエンターテイナーぶりと言えます。今回は過去のいずれにもない「旨さ」が出ているのですが、一言でいえば、「大人が遊んでいる旨さ」です。大人がちゃんと遊ぶとこうなる、という感じのものですね。
今年でいよいよ最後の年となりました。
お陰さまで、年々多くの充実した作品の応募をいただくようになり、お引き受けした身として嬉しい限りです。各回の審査のお手伝いをいただいた皆さん、本当にありがとうございました。数々のわがままに快くお付き合いいただき、心からお礼申しあげます。
この賞の特徴の一つに、ゼネコンや組織事務所などの大手と、アトリエ派の設計者、また大ベテランから、活躍中の新人まで、まさにバラエティに富んだ作者に出会えることがあります。一堂に介しての一次審査では、その皆さんが、それぞれに個性的な発表をしていただけるのも、大きな楽しみでした。一人審査は大変な苦行でしたが、入選者も落選者も一緒に和やかな懇親会を開いていただけたことも、とても大きな意味があると思います。審査員との対話もさることながら、何よりも応募された方々同士が交流していただけるのが、将来につながる大きな出会いとなると思うからです。
審査委員長:古谷 誠章
審査委員長 : 古谷 誠章
(早稲田大学教授)
1955年 | 東京都生まれ |
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1978年 | 早稲田大学理工学部建築学科卒 |
1980年~ | 早稲田大学大学院修了 |
1986〜 1987年 | 文化庁芸術家在外研修員としてマリオ・ボッタ事務所在籍 |
1994年~ | 八木佐千子とスタジオナスカ(現NASCA)共同設立 |
1994年~ | 早稲田大学理工学部助教授 |
1997年~ | 早稲田大学教授 |
平成29年度 | 第9回 建築人賞発表 |
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平成28年度 | 第8回 建築人賞発表 |
平成27年度 | 第7回 建築人賞発表 |
平成26年度 | 第6回 建築人賞発表 |
平成25年度 | 第5回 建築人賞発表 |
平成24年度 | 第4回 建築人賞発表 |